第1話 勤務時間の落とし穴

9時~18時(1時間休憩)できっちりと終わる歯科医院・クリニックは皆無ではないでしょうか。

1日8時間、週40時間の法定労働時間を超えたら割増賃金を支払わなくてはならないという法律は今や一般常識になりつつあります。しかし業界特有の傾向として「それを支払っていたら残業代だけで破産してしまうので知合いの医院でも払っていないしうちも払わない。
誰も文句を言ってこないから大丈夫」という先生がいまだに多いのです。または独自に決めた院内の決まりで「21時を回った分だけ支払う」というアバウトな決め方をしている医院も結構あります。ハローワークに求人を出そうとでもしない限り労働時間の違法もまかり通ってしまうのが現状です。

しかし未払い残業代の請求権は時効2年、退職していったスタッフが後からそれを知り、顔を合わせなくて済む気楽さから、もしくはその家族から請求されるケースも多いのです。それならば適用できる制度をめいっぱい使って合法的に対策を練っておくことが得策と言えます。
10名未満の保健衛生業は、特例で週44時間までの労働が認められています。さらに1ヶ月単位の変形労働時間制を導入することにより、最大で月194時間(総労働時間)まで労働させても残業になりません。
それにより1日8時間を超える勤務時間は合法化され、ゴールデンウィークや年末年始など休日が多い月は残業が殆どつかないといった効果もあります。もちろんこれらは特例であるので一定の手続きを踏んで管轄労基署への届出等も要しますが、1日8時間を超える勤務時間を定めている歯科医院・クリニックでは、その時点で違法ですので早急にお手続きをされることをお勧めします。